効果はありませんでした

他の記事でも、「学校でのフッ素洗口は効果がない」とお伝えしてきました。
国際学会では、日本国内でフッ素を推進している研究者の論文は、「すでに失笑をかっている」と話す専門家もいます。

なので、ちゃんと統計を取ってみました。
結論は「全く効果無し」でした。やっぱり・・・。

その統計を紹介します。

使用した数字は、DMF(むし歯の歯+むし歯になって治した歯+むし歯になって抜いた歯)は文部科学省が公開している学校保健統計から都道府県毎の数字、フッ素洗口の実施率は厚生労働省が作成した資料からの、同じく都道府県毎の数字を使いました。
つまり、これは日本の学校で実施されているフッ素洗口の様子を明確に示す数字だということです。

以前もお話ししましたが、むし歯予防の方法は、最低でも3つあります。
なので、最低でもフッ素洗口率とむし歯の数を一緒に比較検討しないと意味がありません。
さらに、フッ素洗口をしてもしなくても全国のむし歯は減少しているので、その差を考慮する必要もあります。
単にむし歯の多い、少ないを並べただけでは、それが「フッ素洗口の効果」とは言えません。

さらにフッ素洗口を実施した学校の数字だけを見るのではなく、実施していないところと比較することも重要です。

また、1年だけの結果でなく、数年に渡る数字を使用しました。
そのことで、何年も実施しているフッ素洗口の効果が、はっきりとわかると考えたのです。

フッ素洗口の実施率が高くなるにつれ、むし歯が減っていけば、学校でのフッ素洗口にむし歯予防効果がある、と言えます。
さて、どうだったでしょうか。

縦軸はむし歯がどのくらい減ったかを示してあります。2006年の都道府県毎のむし歯数を「1」とした場合、2017年ではそのどのくらいが減少しているのか、です。例えば「0.8」ということは、2006年に比べると、2017年ではむし歯の数が8割減って、2006年の2割のむし歯しかなくなってしまった、ということです。
全国47都道府県を比較したかったところですが、統計がないところもあり、きちんと揃った22府県をまとめてみました。

横軸は学校でのフッ素洗口実施率です。年度によって実施率は変化するので、2006と2017年の平均をとりました。右に行くほど実施率が高くなります。

つまり、もし学校でのフッ素洗口がむし歯減少に効果を発揮していれば、横軸で右に行けば行くほど、グラフは上にあがっていき、回帰直線(分布の中心)を表す破線は右肩上がりになるはずです。

そうはなっていませんよね。
それどころか逆にほんの少しですが右肩下がりです。

つまり、むし歯予防効果はほとんどない!!ということになります。((逆効果の可能性も?)

むし歯が大きく減少している(縦軸で0,6とか0,7、つまり2006年の6割とか7割のむし歯が減った)ところは、
必ずしもフッ素洗口実施率が高いわけではありません。
グラフでは0.8つまり8割ものむし歯が減った地域では、フッ素洗口率は20%少ししかないのに、逆にフッ素洗口実施率が90%を越えていても、減少率は0.35程度のところもあります。

う~ん、やっぱり「フッ素洗口をすればむし歯が減る」とは言えませんね。

次回も同様に学校でのフッ素洗口の効果を検証してみましょう。

ちなみにここで紹介するデータは、専門家の歯医者さんが統計的手法を使って作成したデータです。
推進派の論文では「不十分」と指摘されている統計学的な「条件」も考慮した上で作成してあります。