知られると都合が悪い?

歯科医院でフッ素を含んだ薬剤で医療行為をする際、「副作用も含めて説明」し、「インフォームドコンセント」が必要、とお話ししました。
しかし、今日本中で行われている学校でのフッ素洗口は、その副作用についてしっかり説明された上で実施されているところは、ほとんどありません。
せいぜい「ごくまれに副作用がおきることもありますが、心配はありません」程度で終了です。

 

子どもや保護者の権利をきちんと保障するなら、副作用についてもっと詳細な説明をして当然なのに、なぜしないのでしょうか。

つまり、副作用を説明すると、都合が悪いからでしょうか。

 

むし歯を予防する方法はフッ素だけではありません。
フッ素を使用しないで、ちゃんとむし歯を最低限に抑え、歯みがき習慣を身につけながら、食事にも気を配っている親子は日本中に山ほどいます。

 

だから、安易に副作用なんて説明したら、「それならフッ素洗口しません」と言われる可能性があります。

現にとある小学校では、それまで副作用を記載していなかった同意書に、ある年から副作用について記載したところ、希望者が半分に減ったのだそうです。

結局この小学校では、フッ素洗口は中止されることになりました。

 

学校でフッ素洗口を実施したい側にとっては、副作用は「知られると都合が悪いこと」なのかもしれません。

何よりもまず「学校でフッ素洗口を実施することが最優先!」ということなのでしょうか。

 

でも、副作用について知ることは、子どもと親が当然持っている「権利」です。
副作用があることも、フッ素が体内に蓄積される物質であることも、過剰に摂取すると神経毒になったり、斑状歯になったり骨に蓄積されたりしてしまうことも、きちんと伝えた上で判断できるようにするべきです。

子どもの命と未来より優先されるべきものなど、ありません。