保健室に「医薬品」はある?

学校でけがをしたり、体調不良になったりしたときに、子どもたちは保健室にやってきます。
そんな時に保健室では養護教員がどのような対応をするのでしょうか。

 

実は、保健室には、内服薬はありません。

保護者の方と十分な面談を重ねた特殊な場合を除いて、子どもたちに内服薬を飲ませることもありません。

外用薬もあっても1~2種類。使用する際は、本人や場合によっては保護者の方からの許可を頂きます。
今時、擦り傷や切り傷への対応は、「湿潤療法」が使われますので、以前のように消毒薬を使うこともありませんし、内科的な症状の時は、あくまで家庭や医療機関への橋渡しをするのが保健室の役割です。

 

にもかかわらず、その学校の保健室に、歯科医師の処方箋が必要で、しかも薬剤師が調剤した「医薬品」が持ち込まれるのが、フッ素洗口です。
しかも、場合によっては調剤の資格のない養護教員が、ミラノールやオラブリスの薬剤を水で薄めて洗口液を作る、という薬剤師法違反まがいの作業をさせられている学校すらあるのです。

 

学校の保健室は、医療機関の出張所ではありません。学校の保健室には、そこでしかできない様々な教育活動があり、養護教員は教育者です。医療従事者や薬剤師の資格はありません。なかなか表だってその役割が認識される機会は少ないですが、保健室と養護教員は、取り組まなければいけない教育の課題をちゃんと持っているのです。

 

フッ素洗口が学校に導入されれば、養護教員と保健室の時間は、本来の活動を削減せざるを得なくなります。
医療行為であるフッ素洗口を実施するために、本来の教育活動が制限されるのです。