フッ化ナトリウムは、学校でのフッ素洗口以外にも、歯医者さんでもむし歯予防を目的に使用されます。
歯医者さんでは、歯に直接塗って使われることが多く、「フッ素塗布」と呼ばれています。
フッ素塗布の場合は、フッ素洗口の約10倍の濃度のフッ化ナトリウムが使われるので、当然のことながら歯医者さんが保護者の同意を得て副作用も含めてきちんと管理してくれます。
濃度が濃い分、トラブルが起きることもあるようです。
とある歯医者さんは
「歯みがきや食生活の管理をきちんとしていても、どうしても歯の質が弱くてむし歯になる、という子にしか、フッ素は使わない。副作用もあるからね」
また別の歯医者さんは
「時々、フッ素を塗った後に吐き気や腹痛、下痢を起こすことがあるから、十分気をつけないと・・・」
と話してくれました。
フッ化ナトリウムは、胃の中に入ると胃液と反応して、猛毒の「フッ化水素」になります。
「フッ化水素」は、フッ化ナトリウムよりさらに毒性の強い物質です。
そのため、子どもによっては塗布後しばらくして
「気持ちが悪い」「おなかが痛い」と訴えたり、翌日下痢をしたりする場合があります。
「そうだったんですね。歯医者さんでフッ素を塗った後、いつも下痢するのは、フッ素が原因だったんですね」
養護教員と健康相談をしていて、そんな反応をしたお母さんもいました。
しかし、歯医者さんで行われるフッ素塗布は医療行為ですから、歯医者さんがきちんとした対応をしてくれます。
前述の歯医者さんたちも、フッ素を使う子どもを慎重に決定したり、副作用のことを事前に保護者に話した上で、塗布後の健康管理をしているそうです。
学校でのフッ素洗口に使用されるのは、最初に述べたように、フッ素塗布の10分の1の濃度のものです。
この濃度では、飲み込んでも全く問題は起きないのでしょうか。
そうとは言い切れないようです。
フッ素洗口液を間違って飲んでしまう、という事例は全国で起きていて、吐き気を訴えたり、嘔吐するなどの訴えも複数あります。
しかし問題なのは、こういった子どもの声に、自治体が真剣に向き合ってくれないことです。
誤飲による子どもの異常の事例を報告しても、ほとんどの自治体は
「安全だと言われているんだから問題はない」「フッ素のせいではない」「気にしすぎるからだ」
といった反応なのです。
少しでも危険性があるのならば、最優先されるべきなのは、子どもの健康と未来なのではないでしょうか。