「フッ素」の化合物には、いろいろな種類があります。
一般的には「フッ化物」としてまとめて呼ばれることが多いのですが、それぞれの物質はその性質や毒性が違います。
私たちの身近にも、「フッ素」の化合物はたくさんあります。
例えば、お茶や海草、魚や貝に含まれているのは主に「フッ化カルシウム」です。
さらには、「フッ素」は、私たちのからだを構成する物質でもあります。
フッ素洗口に使われるのは、お茶に含まれるものとは違う「フッ化ナトリウム」ですが、97%の純粋なフッ化ナトリウム液を瓶に入れると、その瓶の表面には、急性毒性を意味するマークや、金属腐食性や発がん性、生殖毒性などを警告するマークがつきます。(97%濃度ですからね)(厚労省「職場の安全サイト」)
フッ化ナトリウムは、以前から「ねずみ取り」つまり殺鼠剤の成分として使われてきた物質ですから、ネズミを殺すだけの毒性がある、ということです。
そもそも純粋な「フッ素」そのものが、「どんな場合でも安全」という物質ではありません。厚生労働省の「職場の安全サイト」には、「フッ素」について、下のような説明が載っています。
注意喚起語 | 危険 | ||
---|---|---|---|
危険有害性情報 | 発火又は火災助長のおそれ:酸化性物質 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ 皮膚刺激 強い眼刺激 吸入すると生命に危険 呼吸器、肝臓、腎臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による骨、歯、呼吸器、生殖器 (男性)の障害 |
もちろん、フッ素洗口に使われる場合は、フッ化ナトリウムの濃度を薄くして使用するか、市販の「フッ素洗口液」を使用します。
危険性のある物質でも、非常に薄く希釈することで安全なものになる、ということもありますから、なんでもかんでも「危険」と言えるわけではありません。
では、97%濃度のフッ化ナトリウム液を薄めたり、市販のフッ素洗口液には、問題は何もないのでしょうか。