骨が折れる?

フッ素化合物は、私たちの身の回りにたくさんあります。
歯みがき剤以外にもお茶や海草にも含まれていますし、最近は「有機フッ素化合物」の健康問題が大きく取り上げられるようになりました。

以前も説明しましたが、歯みがき剤に含まれるフッ素化合物と、海草やお茶に含まれるフッ素化合物は、別の物質です。
さらに有機フッ素化合物は、またまた別物です。

「食品からとっているし、人体の構成物質だからフッ素は安全」という方もいますが、残念ながらそう簡単にはいきません。
なぜなら、フッ素は多量に摂取すれば、様々な問題を引き起こすことがはっきりしているからです。

その一つ、飲料水にフッ化ナトリウム(歯みがき剤に含まれている成分。海草やお茶に含まれるものとは別物)が含まれているアメリカで、次のような論文が発表されました。

論文が発表されたのは、アメリカの整形外科学会の会誌です。
それによると、
「アメリカで水道水に含まれるフッ素の量が少ない州(平均0.4PPM)に比べ、フッ素濃度が高い州(平均0.7PPM] では、子どもの腕や大腿骨の骨折が2.5倍も多い」
というのです。

今までフッ素と骨折の関係については、高齢者の調査が多かったのですが、今回の論文は、子どもが対象になっています。
子ども時代に骨に何らかの影響が出れば、その後大人になってもその影響が継続することだって考えられます。

もちろん、飲料水にフッ素が入っていて、それを摂取し続けているアメリカと、今のところ飲料水には問題がない日本を同等に考える必要はありません。
しかし、一人一人の子どもが、実際にどのくらいの量のフッ素を摂取しているかなど、調べようもないのですから、何の影響もない量ですんでいるのか、そうでないのかは、誰にもわかりません。( 「フッ素の摂取量」参照 )

では、フッ素は骨に骨折以外のどんな影響を与えるのでしょうか。

それは、次にお話ししましょう。